官庁の許可

一般社団法人の設立に官庁の許可は不要

これまで非営利型の団体を法人化するには高いハードルがありました。なぜならば、法人の形態が根拠法が民法となる社団法人・財団法人しか適した法人格がなかったためです。そして同法では「学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。」と規定されていたことから、主務官庁の許可というハードルを乗り越える必要があったのです。

しかし、民法が改正され、平成20年12月に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行されたことに伴い、新たに「一般社団法人」という法人格が誕生したことによって、非営利型の団体を法人化するハードルは取り除かれたところです。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、法人としての設立要件を、公証人による定款の認証、法務局への登記に留めています。つまりは、官庁の許可を要せず、株式会社などと同様の手続きで法人を設立することが可能となったのです。

趣味の集まり、懇親会サークル、同窓会組織、研究者による学会などは、社団法人となることが難しかったために、法人格のない任意団体として設立し運営されてきたものが多いところです。一方で、法人格がないために様々な課題も生じています。その中でも金融機関での口座開設は切実な課題と言えます。架空口座による特殊詐欺などを防ぐために、平成14年に「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」が成立し、平成20年には「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が全面施行されました。

原則として本人名義でしか金融機関で口座を開設することができなくなり、法人格のない任意団体のままでは団体の運営、契約行為を行うことが困難な状況です。これらの課題を解決していく選択肢として、官庁の許可なく容易に設立が可能な一般社団法人として法人格を取得することが考えられます。また、代表者である個人と団体の関係が明確に区分されるため、代表者の変更に伴う財産上の手続きも簡素なものとなります。

例えば、任意団体の場合、土地や財産を取得する際には、形式上は代表者個人が契約を締結することになるため、代表者が変更した際には所有権の移動や贈与などが複雑な手続きが必要となります。これらの課題も、一般社団法人を設立し、法人として契約し財産を取得・管理することで解決できます。